スポーツ整形外科

スポーツ整形外科が一般整形外科と違う点は

(1) 野球やサッカーなどのそれぞれのスポーツ種目ごとに起こりやすい障害や外傷があり、診断するにはその知識と経験が必要です。
(2) スポーツの早期の復帰を目指した治療の選択が必要です。
 (場合によっては手術を含めて)
(3)15歳未満の成長期の患者の場合、小児整形外科分野の知識が必要です。

当院では、スポーツ整形外科の知識と経験を有する医師が、以下のように診療します。

(1) 超音波診断装置を用いて、スポーツ整形外科の分野で診断の難しい軟部組織(靭帯、腱、筋)の検査を行っています。軟骨や骨についても検査可能です。さらに必要な場合、紹介の上MRI 検査を行っています。MRI 検査による診断症例も多数あります。
(2) 治療方針は、選手の希望をよく聞き、相談した上で決めています。多くの場合、リハビリやフォームの指導が有効ですが、必要なら手術にも対応します。
(3) 小児整形外科分野の診療経験が豊富です。

□スポーツリハビリテーション
理学療法士が、スポーツ障害や外傷の種類や程度に応じて、また競技者の希望に合せて現状のチェックののち、適切なストレッチングや筋力トレーニングのプログラムを作成し丁寧に指導致します。
また、それぞれのスポーツ動作の問題から起きる原因を明らかにするため、動画によるフォームのチェックを行い、適切な指導を行います。
スポーツ種目ごとの特徴的な体の動きを、ダイナミックにとらえるため投球フォームやテニスのスイングなどを動画撮影し、分析して診断と治療に用いています。
そのうえでフォームなどに問題がある場合、その指導も行い再発予防としています。

□手術
主に関節鏡(ファイバースコープ)を用いて、競技の復帰が早くなり、小さなキズで済むような手術(修復術)を行える専門医を、紹介しています。




●関節鏡手術について(同文掲載:整形外科・スポーツ整形外科)
当院では積極的に関節鏡手術を行っています。

当院で対応している治療例

・肩が痛い、肩が上がらない このような場合、多くが五十肩と呼ばれ、リハビリが行われますが、中には腱板断裂と呼ばれる肩の筋肉のつけねが切れているものがあります。リハビリで治らない場合は、超音波診断装置(エコー)やMRIで診断をして、関節鏡手術を行います。

・肩がはずれる、はずれそうでこわい ケガをきっかけとして肩がはずれやすくなるものを反復性肩関節脱臼とよび、日常生活やスポーツなどで脱臼を繰り返す場合は、リハビリでは治すことが困難なため、関節鏡手術を行います。

・投球障害肩 野球などの投球動作やバレーボールなどの腕を上から振り下ろすスポーツなどで肩の痛みが持続するものです。ほとんどは、リハビリで治る場合が多いのですが、中には肩の関節唇や腱板に損傷(キズ)がつき、修復する手術を必要は、関節鏡手術を行います。

・野球肘 おもに、野球などの投球動作を成長期に繰り返すことで、肘関節の中の軟骨や骨、周囲の靭帯や骨が損傷するもので、早期には痛みなど自覚症状がはっきりしない場合があります。進行すると関節鏡などによる手術が必要ですが、早期に発見すると、手術を避けることができます。

・変形性肘関節性 仕事上の負担やスポーツなどで長年酷使することで肘関節の軟骨がすりへり、さらに骨が変形し、関節の動きが悪くなり、痛みが出るものです。 日常生活やスポーツに支障がある場合、関節鏡で中を掃除することで治療します。 ・手関節TFCC損傷 手首の小指側の関節の中に、TFCCと呼ばれる、膝の半月板と靭帯を一緒にしたような組織があり、クッションや骨と骨をつなぐ役割をしています。仕事やスポーツで傷ついて、痛みが出る場合があります。固定や注射、リハビリで治らないとき、関節鏡で部分的に切除したり、縫ったりします。

・股関節インピンジメント FAI しゃがむ動作や深いストレッチ、激しいダンスなどで、股関節を大きく早く動かしすぎると起こります。骨盤と大腿骨がぶつかりあったり、骨盤側の関節の周囲を取り巻く軟骨や関節唇が傷つくものです。リハビリで対処しきれない場合、関節鏡を使って、傷ついた関節唇を切除したり、縫合したり、ぶつかっている骨を削ったりします。

・膝半月板損傷・靭帯損傷 スポーツやけがをしたときに、膝をひねる動作などで半月板(内側・外側)や靭帯(前十字・後十字、内外側)が切れることがあります。 切れる場所や大きさによっては、リハビリで治る場合もありますが、切れる場所が悪かったり大きいと、手術で切除したり、縫合したり、他の部位の腱で再建したりします。

・足関節骨軟骨損傷、靭帯損傷、三角骨障害 捻挫をくりかえすことで、靭帯が切れるだけでなく、関節の中の軟骨や骨が傷つく場合があります。靭帯が切れたために、関節がグラグラする場合、靭帯を縫ったり、他の部位の腱を使って靭帯を新しく作って、関節がしっかりするようにします。 また、軟骨や骨の傷を関節鏡を使って修復します。ドリルで骨に穴をあけて、骨髄細胞で軟骨を再生したり、軟骨を骨にくっついた状態で移植したりします。関節鏡を用いて行います。足のうしろの骨が、サッカー選手やバレーダンサーで足の痛みの原因になる場合があり、三角骨障害と呼んで、関節鏡で摘出して痛みをとります。

 以上は、関節の中や周囲の組織が傷ついて痛みが出るものですが、最初はレントゲンでは変化がみられません。そのため、診断に経験や専門知識が必要ですが当院では数多くの関節鏡手術を当院の関連病院で行っています。ご相談ください。


●関節鏡手術までは必要ではないけれども、多くがリハビリで治る、スポーツにともなう障害や外傷についても数多くの経験と知識を有しております。

・思春期の腰椎分離症(疲労骨折) レントゲンでわかるよりずっと以前にCTやMRIにより診断可能です。脊椎の体幹訓練やストレッチなど理論的なリハビリと専用のコルセットの着用で骨折が治りました。

・腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん) ランナーなどが膝の外側に痛みを訴えることがあります。病態にあったリハビリや超音波治療が有効でした。

・テニス肘 多くが手首をそらす筋肉の腱が肘の骨につく部分に炎症を起こして、痛みが出ます が、治りにくい場合、肘の関節の中の滑膜に炎症があることがあり、超音波診断装置(エコー)などで診断、適切に治療します。

・肉ばなれ 太ももやすねの後ろの筋肉(ハムストリングス、下腿三頭筋)が、スポーツで走っていて方向を変えたときなどに切れる場合です。筋肉の実質では2~3週で治りますが筋肉が骨につく部分の腱などが切れると長引いたり、手術を要することがあります。 エコーやMRIで診断し、適切に治療しています。

・疲労骨折 特にすねや足などの体重がかかる場所に起こりやすく、早期に診断して治療しないと長引いたり、完全骨折を起こしたりします。エコー、MRIやCTを用いて確実に診断し、専門知識にもとづいたリハビリを行うことで、より早期にスポーツに復帰できるように支援しています。


□スポーツ整形外科の当院症例:「スポーツ障害・外傷